40代以上のピアノの先生

四十代以上のピアノ講師には″手作りの鉢植えを育てる″境地の先生もいれば、孫弟子を増やす家元的先生もいると思う。四十代に入ると、ご自分のお子さんもしだいに手が離れ、また本格的にピアノ教師業を再開なさる方が多い。比較的、時間の余裕も出来、 一人一人の生徒にこまかく気を配り、それこそ大事な″鉢植え″を丹精こめて日々育てていく…という境地の先生もいらっしゃる。一方、お若いときからヤリ手で鳴らしてきた先生の中には、いつの間にか生徒数が膨らんで、″門前市をなす″状態となり、何人もの講師(主に直弟子)を配して、家元のようになる方も存在する。ある地方には、大々的に二日がかりで″○○門下生合同発表会″を開催する、その土地の名士先生もおられる由。
この年代の先生方の中には、レッスン法になんの反省も疑いもなく、ただ十年一日のごとく、情性に任せて教える方もいらっしゃるかもしれない。が一方で、もはや自分の受けた教育が古臭く、現代っ子に通用しないことを悟られ勉強のし直しを図る方も多い。新しくエレクトーンやドラムを習い始め、セミナーや公開レッスンには積極的に参加して、新教材の研究に熱を入れ、メソード研修のため外国まで出かけられたり…と。そのひたむきな向学心に、かえって若輩の私のほうが刺激を受けてしまう。