最近の音楽講師の事情

昔とは違い、いまでは「わが子を音楽家に」というよりは、翌日楽を通じてより豊かな人生を」と望んで子供にピアノを習わせるご父兄が圧倒的に多い。子供もスタート時点においては、きっと希望に胸をふくらませてお稽古を始めるのだろう。それなのに、しばらくすると、「練習しなさい」「いやだ」の親子ゲンカが連日のように繰り広げられるとは。挙旬の果てに、″ピアノ嫌い″ど日楽嫌い″の兆候を示したり、塾や部活が始まると自然消滅的にレッスンを止め、以後ピアノをバタッと弾かなくなる子供も結構いるなんて…。
体にハンディはあっても、音楽のおかげで張りのある幸せな人生を送っている私などは、こんな話を聞くと、もう悲しくてなんともやりきれない。どうすれば、子供がいきいきと音楽を楽しみつつ、演奏技術をマスターしていけるのか。さらにレンスンを離れてからも、末長くピアノと付き合っていくことが可能になるのだろうか。これを実現させるには、まず教師側に、レンスン上の工夫と、生徒一人一人を「ここまで引っ張り上げねば」という、教育者としてのプロ意識が求められよう。それとともに、ご父兄のピアノ教育に関しての正しい理解と協力が是非とも必要なのだ。